「木は呼吸をします!!」って変な言葉。
「木は呼吸をします」
「どんなふうにですか??」
「柱一本で一升瓶で3本分の水を含むことが出来ます」
「どうやって含むんですか??勝手にですか??」
「湿度が高いとそれを含んで、乾燥すると吐き出します」
「と言う事は自然乾燥材なんですか??」
「???分かりません・・・・」
「柾目じゃないとダメなはずですけど、この床は板目ですよね??呼吸しますか??」
「・・・・・・」
営業マンは何も答えなくなりました。まあ、知らずに話をするとこんなふうになるでしょう。今度、やってみてください。面白いと思いますよ!!
「木は呼吸をします」って話はよく耳にしますが、ほとんどが間違った事を言っています。今まで聞いた話で本当だったのは「もみの木」ぐらいですね。
他は全くのデタラメでした。今でもいると思います。この言葉を言う人は要注意ですね。
まあ、いい加減な家を求める人であれば良いと思います。でも、多くの人は大金を投資するはずなので慎重に動くと思います。
なのに、何の根拠もない言葉に騙されるって事になりますからね。なぜかは分かりません。もっと真剣に考えましょうよって言いたいです。
さて「呼吸をする木の条件」があります。
一つは「自然乾燥」をした木材である事です。これは「人工乾燥」である場合、水蒸気を当てて乾燥させるために気の細胞は壊れた状態になります。
つまり死んでいる。呼吸はできません。なぜ、そんな事をするのか??それはできるだけ早く商品として売りたいからです。
自然乾燥だと板材で最低でも4ヵ月は掛かります。人工乾燥は長くて一週間ですから、どっちが商売に向いているのか??って判断ですね。
こういう理由で多くの木材「人工乾燥」されます。手間と時間の事を考えるとそうなります。
もう一つは「柾目」である事です。お櫃や寿司桶や落し蓋は柾目の木で出来ています。これは湿気の調整をするためなんですね。
味噌樽や醤油樽などは水を通さない「板目」の木が使われます。木は切り方でまるで違うものになります。昔はしっかりと使い分けていました。
「木は呼吸をします」なんて聞いた場合、「それは自然乾燥の柾目ですよね??」と聞いてみましょう。
「そうです!!」って言える人が何人いるのか??まあ、居ないでしょうね??