注文住宅の恐怖!!
「注文住宅」という言葉があります。これは住宅業界ではよく耳にする言葉です。
お客さんが住宅会社にあれこれ注文して家を建てる事を言います。が、これは実は非常に危険な事だとも言えます。
お客さんの注文の事を「ご要望」って営業マンは言います。これが天下の宝刀になる訳です。基本性能を揺るがすような注文があると設計は「無理だ!!」と突っぱねます。
だって、家の性能を確保するのが設計の仕事ですから、当然です。会社の家の基本性能とかも決まっていますからね。それが守れないって事で設計は受けないって事になります。
すると営業マンは、
「お客様のご要望が設計に反映できなかった事で受注できなかったら君の責任だからな」
なんて事を言い始めます。大抵は設計が眼をつむり、設計変更になる。そうなると基本性能はあっさりと悪くなります。そこは言いません。
お客さんは基本性能はそのままでの変更だと考えています。これが住んでから大きな問題になるんですね。よくあるのが「窓を大きくして欲しい」って事での、
「冬は窓から風が来て寒いし、夏はエアコンがまるで効かない。最初の話と違うんだけど」
性能が変わっているので当然です。設計は知っています。営業マンもさんざん言われて分かっているはずなのに、
「こんなクレームが来たけど、設計はどうなっているんだ??ちゃんと説明してくれ」
なんて言う始末。まあ、調子はいいですからね。
注文住宅の場合、出来るだけ設計と打ち合わせした方が良いと思います。営業マンは素人で、建築の勉強とかした事など有りません。
そんな人と間取りの打合せをしたら、とんでもない家の設計図面が出来上がります。そこに大金は払い、長い時間を暮らすのはあなたです。
なぜか「注文住宅」を前面に押し出す会社ほど、社長が営業畑だったりします。技術の人間はそんな言葉は使いたがらないのが普通ですからね。
注文住宅と言えば自由になんでもできるって感じにしておきたいのでしょうが、そんなに自由にやると性能はどこまでも落ちて行きます。
お客さんの要望は「今住んでいる家の改善」か「インスタで見た写真」とかで出て来るものです。その深い意味が理解されていません。
もみの木ハウスはもみの木の特性を利用した家です。住んだことのない人には想像もできない事です。要望は聞けない事がほとんど。
独特な設計ですからね。