家の変化
自分が住宅業界に入った頃の家づくりは今とは大きく違っていました。
ほとんどの人が定年前に家を建てる感じです。なので50代が多かったです。しかも打合せにやって来るのはご主人でした。
あまり「家事」の事など話には出ません。話をすると言ったら「床柱」や「外観」の事です。当時はほとんどが「和風住宅」でした。
屋根が大きくて見栄はりな家です。それが流行りでしたね。
和室の続き間があり広縁がある家がほとんどで、そこに付け書院が付く。障子は「雪見障子」でした。
今考えると、家の機能には何の関連も無い事にお金を使っていた事になります。
しばらくすると若い人も家を建てるようになっていきます。30代で家を建てる人ですね。それでも打合せはご主人が来る。
収納の無い家を建てていた時代です。
しばらくすると奥様が打合せに来るようになっていきます。そうなると設計者は家事を理解しておかないと設計が出来ない。
当時は色々な本も読んでいました。そこにウォークインクローゼットの話とか、料理道具の収納の仕方とか書いてあります。
料理をしないと料理道具がどこにあるのか??なんて事も分かりません。やればパントリーが必要な事も分かりますからね!!
色々な事を経験して設計に生かしていった時代です。
自分は営業では無かったですが、見学会では接客をしていました。設計をした家の見学会での説明ですから簡単です。
当時は家事優先な動線での設計をやっていましたから見学会でも奥様方からの評判は高かったです。
一回の見学会で4軒も受注が出来ていましたから。まだ、ブログとか無い時代です。家の動線で受注していましたね。
受注していた大きな理由が「パントリー」でした。今から30年も前の時代です。それだけで家が売れていたって事です。
今は普通な事ですが、当時は画期的だったと思います。
今はインスタグラムが家の告知の多くを担っています。が、インスタ映えする事に固執して失敗している人が多い様な気がします。
長く住む家ですからホテルの様な設計はダメですね。
時代で家は変化していきますが、本質の部分は不変でないといけません。ただ、多くの会社は本質以外を追いかけている様な??
何を求めるのか??それで建てる会社も変わるでしょう。流行りを追いかける会社では建てない事です。