天然乾燥の構造材って??
「天然乾燥の構造材を使っています!!」
なんて書いてある会社があります。まあ、人工乾燥よりは粘るでしょうが、構造材を天然乾燥にするメリットがあるのかどうか??
気になるのは「天然乾燥」をしていると書いてありますが「含水率」がいくつなのか??そこが大きな問題になってくることでしょう。
杉は乾燥が難しい木材だと言われています。なので、杉の天然乾燥材とかなると含水率を15%前後まで落とすには1年以上の時間が掛かります。
まあ、数年は乾かすことを前提にしないといけないでしょう。
多くの場合、含水率が25%程度で「乾燥しました」とか言って構造材に使用するとそこから15%まで含水率が落ちる段階で木の変形が起こります。
つまり、構造材が変形すると内部の建具や外部の建具に不具合が起ころことになります。柱が変形するとビニールクロスが切れたりしますから要注意です。
含水率がいくつなのか??そこは気を付けておきたいですね。
昔の構造材はグリーン材と言って未乾燥材がほとんどでした。含水率は50%ほどです。そんな木を使って家を建てていたんですね。
そんな未乾燥材を構造材に使うと後が大変で、色々な部分に支障が出てきます。建具調整が一番多かったですね。
冬場の夜中の木の繊維が裂ける音もクレームになっていました。
「夜中に天井からパッチッ!!って音がするんですが??」
みたいな電話が来ていました。含水率15%の乾燥材を使うようになったら、そんな事もなくなりました。
天然乾燥材=良い物とは限りません。
人工乾燥材が悪者でもないって話です。どこに何の目的で「木」を使うのか??それで色々な事が変わってきます。
内装材で木の効能を使う場合は天然乾燥材でないと何の意味もありません。
構造材で木を使う場合、天然乾燥材より人工乾燥材の方が効率的だと言えるでしょう。天然乾燥材は時間がかかりすぎますからね。
総合的に考えて何を優先するのか??それで答えを出すしかないでしょう。
中途半端な乾燥材ほど怖い物はありませんからね・・・・・