構造計算をするという事
来年から住宅も「構造計算」を提出する事が義務化されます。
現況で、構造計算をして住宅を建てている会社は全体の2割にも満たない事が分かっています。つまり構造の根拠はないって事です。
今までの大地震で住宅が倒壊していることで分かりますが「構造計算」を行っていないがために倒壊したと言えますね。構造が成り立っていません。
現在の住宅をランダムにピックアップして構造計算をしたらOKが出る住宅はほとんどないと考えられるレベルでしょう。
実際はプレカット工場での入力時に簡易的な構造計算を行なっているようですが、ほとんどがNG物件だという話を聞いたことがあります。
自分も他社の図面とか見る機会がありますが、なかなかな感じです。構造が破綻している物件がほとんどといっていいですね。
恐ろしいのは「スーパー間崩れ」というグリッドが成り立たない家です。グリッド上に柱が無い。つまり力が伝わらないって話です。
1階と2階の柱の位置がずれているって事です。荷重を受ける柱に力がダイレクトに伝わらない。構造計算というよりそもそもの構造体をどう考えるかでしょう。
デザインを優先する人ほど、構造を無視する傾向があります。
柱や梁のずれは力が直接伝わらないって事で、何かを経由して力が伝わるって事です。つまり無駄な事をやっているって話ですね。
恐ろしい事に構造は「プラン作成」の時には考えておかないといけません。構造計算は最後に行いますが、その計算が成立するかどうかは最初で考える。
多くの人はそこを勘違いしています。
これは設計を経験していないと分からないかもしれません。設計は全てが連動している作業の事を言います。構造やコストやデザインなど同時に考えるって事です。
構造は構造と考えると最終的に「NG」って事になります。
来年からは「NG」が出た家の建設は出来ません。つまり、現在で構造計算をしていない会社はかなり危険だと言えます。
構造は長年の経験で理解出来る事です。コストカットも構造が理解できていたら出来る事もありますからね。
来年義務化されてそれを設計に応用できるようになるのには10年の時間が掛かるかと思います。
既に構造計算をしている会社に依頼する方が得です。