ドイツの林業-3
ドイツの林業は国家公務員が管理している話は最初に書きました。
なので木は「計画伐採」される事になります。つまり樹齢がどれほどの樹種の何の木がどれぐらいの量、どの山から算出されるかが事前に分かります。
なので、我々が使うもみの木もその中から分けてもらっているという事です。計画伐採だから年間の輸入量も計画が立てやすいという事です。
樹齢が250年〜400年ほどのもみの木が日本にやってくることになります。
そんな木を使ってもみの木の家は建てられています。
では、日本にはもみの木は無いのか??ってなります。あります。が、個人所有の山なので誰がいつ伐るのかは分かりません。
林道が通る山にもみの木が自生していてそれがたまたま市場に出回る事があるようです。が、それがいつなのか??樹齢がどれほどなのかはその時にならないと分からない。
つまり、計画的な商品の製造にはつながらないという事です。
あえてヨーロッパの方からもみの木を仕入れているのは「計画が立てられる」という理由です。日本にもみの木の計画伐採が有ればそっちの方が良いでしょうが、難しいでしょうね。
以前に霧島神宮の駐車場が広げられた時に、そこにあったもみの木が市場に出たことがありました。その時はもみの木ハウスに「買いませんか??」と問い合わせが来ました。
マルサ工業さんに連絡して買いに行ったことがありました。
そんな事もあるわけですが、次はいつなのかは分かりません。それでは仕事になりませんからね。
今の季節、ドイツではもみの木が伐採されている時期になります。それを製材して日本に運んで自然乾燥させてから製品になる。
今、伐られた木が商品になり家に使われるのは早くても来年でしょう。恐ろしい時間を使い、商品になる。
そんな手間暇をかけないともみの木の効能は出せません。
機械乾燥で効率だけを考えたも機材にはほとんど効能はありません。日本に流通する木材の99%はそっちの木になります。
木の効能は自然乾燥の木の話をして、実際は機械乾燥の木を使う。
そんな人に限り「もみの木をヨーロッパから運ぶのにどれだけエネルギーを無駄に使っているのでしょうね??」って言います。
そんな人は日本の木の伐採現場を見たことが無いでしょう。あれは「自然破壊」です。ドイツの林業は自然との共存が根底になります。
そこが大きな違いになると思います。8回ドイツに行き見てきましたから。