家づくりの基本「家の強さ」
「おたくの家は地震や台風には強いんですか??」
「はい。もちろんです。梁が太いし柱も太いです。だから丈夫なんですよ!!」
「根拠は無いのですか??」
「耐震等級は3です。そうなると当然風にも強いんです」
なんて会話は普通の住宅会社の営業マンはやっていると思います。でも、この会話はおかしなところがあります。
まずは「耐震等級」です。これは耐力壁が建築基準法の何倍入っているかで決まります。耐震等級3は1の1.5倍以上入っているって事。
ただし、数字上の話です。耐震等級だけで家の強度の判断は難しいです。ちゃんとするなら「偏心率」の計算をしましょう。
「偏心率」は耐力壁の「バランス」を見る事が出来ます。建築基準法ではこれが「0.3以内」となっています。
もみの木ハウスは「0.2以内」での設計です。もちろん耐震等級は3ですし、制震ダンパー付になります。
偏心率は家の「重心」と耐力壁の「剛心」のずれを計算しています。バランスよく設計しないとダメなんですね。
南側は全てが窓で、壁の無い分を北側に集中させたとなると剛心は北側にずれます。重心と剛心は大きくずれます。
この場合、剛心の反対側が崩れ落ちる事になります。阪神淡路大震災の倒壊した家のほとんどが南側に崩れていました。
また、構造計算をしているかどうかも問題になります。荷重がどれだけ掛るのか??地震や台風に積雪はどれだけ耐えるのか??
構造計算はそれを確認して材料の大きさを決めています。
なんとなくではありません。多くの住宅会社はプレカット工場の簡易型の計算での大きさを決めているはずです。
ただ、荷重条件をどんな設定で行っているのかはまるで分りません。「予算が無いよ」とかなると軽めに設定して部材の寸法を小さくしているかもしれません。
熊本地震で、それが問題になっていましたからね。
まあ、2025年からは2階建ては構造計算をしないと確認申請の提出が出来なくなります。国が量より質に考えを振ったのでしょう。
家の強度は「勘」での判断ではダメです。強度が足りなかったり、無駄な材料を買わされていたりする事でしょう。どちらかが損をしています。
お気を付けください。