杉にしますか??桧にしますか??
「梁は杉の集成材にしますか??桧の集成材にしますか??」
「何が違うのでしょうか??」
「価格で言うと杉の方が安いですが、強度は桧の方が高くなります」
「地震に対してはどっちが良いのでしょうか??」
「それは桧でしょうね。強度も杉より高いですから。でも、価格は上がりますけどね」
「では、桧でお願いします。金額は教えてください」
「はい。差額は出して連絡します」
さて、これは能登半島地震後の一般住宅会社での普通の打合せみたいです。これを読んで違和感を覚えた人はかなりのもみの木ハウスのファンですね(笑)
「なにもおかしくないけどな・・・・」
なんて思った人がほとんどでしょう。でも、この会話は恐ろしい事が隠れています。それは、
「お客さんに梁の材料をどうしますか??って聞いている事」
ですね。これは「構造計算をしていません」って事になります。だって選べますからね。
「選んだ後に構造計算をしているのでは??」
なんて考える人も居るのかもしれません。でもここでもおかしな事を言っています。
「桧の方が杉より強度が高いです」と言っているのに「価格は桧の方が高い」って言っています。これは「同じ大きさの梁で比べた場合」のお話しです。
構造計算をすると強度の高い「桧」の方が梁成は小さくなるのが普通です。強度の無い「杉」は梁成は大きくなる。
そうなると容積で木材の価格は決まるので、金額さなはあまり出ない事になります。
構造計算をしていたらのお話しです。
でも、やっていないから「桧が高くなる」と言えるわけです。それはおかしな話なんですね。構造計算をしていない会社で出て来る変な会話です。
構造計算をすると樹種の強度で計算するので、梁成はそれで決まる。強度が低いと大きくなるし、強度が高いと小さくなる。
構造計算をしていないと梁成は「勘」で決まり、樹種が変わっても梁成は同じ。つまり強度の高い樹種にすれば材積が同じなので価格は上がる。
おかしい・・・・・
構造計算のしていない建物は「博打」みたいなものです。自分は恐ろしくて住めません。