父の話
父が肺気腫で寝たきりになったのは2009年の事だったと思う。だんだん痩せていき、とうとう酸素吸入と点滴に繋がれた状態になった。
翌年の初夏には「余命は3カ月」という宣言を受ける事になりました。お見舞いに行ってもほとんど話も出来ない状態です。会話は目くばせだけ。
「今年の夏が越せるかどうかでしょう」
と医者が言ったそうです。その頃、自分は「もみの木」と出会っていました。ただし、まだ知ったばかりで、どう扱えばいいのかもよく分からない状態です。
「もみの木は呼吸器系にはよく効くので、お父さんの部屋の床と天井をもみの木に張り替えたらいいよ」
とか、もみの木の内装材の製造元のマルサ工業の担当からは言われていましたが、内装材でそんな事ができるわけがないと考えていましたからね。
「いや、いいです。余命が3カ月なので、無駄でしょう??」
なんて返していました。そんな話をある人にしたらこう言います。
「やって死ぬか??やらずして死ぬか??やらなくてお父さんが死んだら一生後悔するから、もみの木に張り替えてあげなさい」
そうなるとやるしかありません。後悔はしたくないからです。
実家に行き母に話をしてリフォームをする事にします。他にも工事が有ったので、色々と計画してお盆過ぎに工事に着手しました。
父の部屋はすぐに完成しました。もみの木に張り替えた部屋に父のベッドを入れて帰ります。その時も酸素吸入と点滴は付いたままでした。
その後、2週間が過ぎて、父の様子を見に実家に寄りました。もみの木の部屋に居た父は、ベッドの上に座っていて、点滴も酸素吸入も付けていません。
「どうしたの??」
「それが急に体調がよくなってね・・・・何でだろうって、先生も不思議がっていたよ」
もみの木の空間に入った父は別人みたいに良くなっていました。これは不思議です。家の内装材を変えただけの話です。
万能薬とか飲ませたわけではありません。
「車椅子に乗れるかな??」
「大丈夫。乗れる」
「だったら病院を代わってみようか??それが良いような気がする」
会社を休んで病院に連れていく事になります。